皆さんこんにちは。
社会人の方は年末が近づいてくると、会社から「年末調整のための資料を提出してください」と言われると思います。ちょっと前までは、年末調整用の用紙を渡されて、必要事項を記入&押印で会社に提出していた方も多いと思いますが、最近ではデジタル化が進んだ影響で年末調整もSmartHRなどのツールを使っているところも多いと聞きます。
では、この「年末調整」は一体何のためにやっているか、年末調整することによってどのようなメリットがあるのかを記載していきたいと思います。
年末調整は「税金を計算する」ために必要です
みなさんは、一年間に自分が払っている税金についてどれくらい詳しく知っていますか?
個人に対して課税される税金について、ぱっと思いつくものを挙げてみましょう。
- 所得税 (個人が獲得した「所得」に対して課税されます)
- 住民税 (所得税を基礎として計算される税金で、市区町村に納税します)
- 消費税 (ほぼすべての人が払っている税金で、「消費」に対して課税されます)
- 自動車税 (自動車を所有している場合に課税されます)
- 揮発油税 (ガソリンを購入すると課税されます)
- 固定資産税(戸建てやマンションを購入すると毎年課税されます)
- 酒税 (ビールやチューハイ等のアルコールを消費する際に課税されます)
さて、ぱっと思いつくものを挙げてみましたが、こうして考えると実に多くの「税金」を納めていることがわかりますね。
税金は「何」に対して「課税するか(=税金をかけるという意味)」で納税額が決定する仕組みとなっており、年末調整で当てはめると「何」は「個人が1年間で獲得したお金」を指すこととなります。
このため、年末調整は「1.所得税」と「2.住民税」を計算するために必要な行為となります。
所得税の計算
1-1.源泉徴収制度
ここで1つ質問ですが、「ご自身の所得税を計算して納税したことってありますか??」
副業をしている会社員であれば「Yes」となるかもしれませんが、ほとんどの方が「No」と答えると思います。なぜなら、日本では自分の代わりに「会社が税金を計算して税務署に納める制度がある」からなのです。これを「源泉徴収制度」といいます。
給与明細を見ると「源泉徴収額」が記載されていると思いますが、これが源泉徴収制度に基づいて「会社があなたに代わって納税しておきました」という金額となります。
1-2.所得税の計算
所得税の計算は「毎年1月1日から12月31日」までに獲得したお金について課税がされ、会社員であれば1月から12月までに得た給料及びボーナスの金額をベースに計算が行われます。
税金の計算は「収入(税金や社会保険料を差し引く前の総額)」から「経費」を差し引くことにより「所得」が計算され、この「所得」から様々な控除をすることによって税金が決定します。
1-3.所得控除とは
所得控除について簡単に説明してみましょう。これは感覚的なイメージでOKです。
同じ年収300万円の人がいるとします。どちらの税金を安くしてあげたいですか??
① Aさんは独身の一人暮らし
② Bさんは配偶者とお子さん2人と生活
個人的には、どちらの税金も安くしてあげたいところですが、実際は「Bさんの方が生活費が多くかかるから税金を安くしてあげよう」というのが日本の所得税の制度です。
Bさんの所得控除を多くしてあげて、結果として税金を安くしてあげるのです。
所得控除について
2-1.所得控除の種類
一口に所得控除と言っても、次のようなさまざまな種類がありますので、詳細な解説は別の機会に実施したいと思いますが、ここで重要なのは「受けられる控除が多いほど、税金が安くなる」ということです。
- 給与所得控除
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 医療費控除
- 基礎控除 etc
2-2.所得控除の情報収集
所得控除を受けるためには、その人が所得控除を受ける条件を満たしているかを判定する必要があります。例えば、次のような情報です。
- 配偶者はいますか?
- お子さんは何人いますか?
- 生命保険料としていくら支払いましたか?
- 住宅ローンはありますか?
さて、あなたが会社で年末調整をする部署である「総務部」に所属していたとして、社員一人一人の上記のような情報を把握できるでしょうか??例えば従業員が家族だけで構成されいたり、設立後間もない従業員数名程度の会社であれば可能かもしれませんが、そうでなければほぼ不可能でしょう。
では、どのように情報を収集するのか?
答えは、「年末調整」を行って、所得控除を受けられるか否かを把握する必要があるということになります。
ほとんどの人が「還付」となります
「源泉徴収制度」によって毎月納税された金額はいわば「仮に収めた税金額」となり、年末調整によって1年間を通した所得税が確定することとなります。
通常、毎月源泉徴収される金額は「少し多め」に納めていますので、年末調整を実施することによってほとんどの人が「還付」を受けることになります。
少しでも多く「還付」を受けたい場合には、しっかりと年末調整する必要がありますので、めんどくさがらずに手順書をしっかりと読み込んで対応しましょう!!